2012年 07月 13日
2012/5/18-20 UTMF完走
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すっかり書くのを溜めてしまったので、まとめて書く。
制限時間48時間で156kmというこのトレランレース、今までのトレランレースとはまったく異次元の世界であり、まったく違うものが求められるのだと思っていた。
1年半計画で入念な準備をして、かなり多くのものを犠牲にしつつ、生き様をかけて望んだこのレース。
実際に出てみたら、なんてことはない、今までと違うものではなく、今までの延長線上に位置するもんだった。
実際に完走してみれば、あっけなかったな、という気がする。
-A1 富士吉田市工業団地 2:19'38"
-A2 二十曲峠 2:50'03"
-A3 山中湖きらら 1:03'54"
-A4 すばしり 3:15'14"
-A5 富士山御殿場口太郎坊 2:33'23"
-A6 水ヶ塚公園 1:13'03"
-A7 富士山こどもの国 1:46'18"
-W1 北山 3:47'30"
-A8 西富士中学校 2:23'25"
-A8での休憩 3:09'21"
-A9 本栖湖スポーツセンター 10:22'31"
-W2 鳴沢氷穴 4:31'48"
-finish 3:08'44"
42:25:18(グロス)
会場のスタート前。
今回は、3日間を通して天気に恵まれた。
天子山塊の前半を試走した時に抱いたイメージだと、あそこで天候が崩れれば、自分の実力では完走は無理だろうと思っていただけに、これは嬉しかった。
天子越えでちょっと雨が降ってきたけど、靴下がぐちょぐちょになるほどではなかった。
ここでケータイに電話がかかってきて、上りのロードを話しながら歩いた。
まだまだ皆、元気な辺り。
一日目の夕暮れ。
天気いいね!
A3 山中湖きらら。
すっかり日没。
この辺りで調子悪くなってきた。
スタート海上で、某食品惣菜店が、ナッツ類とマシュマロとバターを溶かして焼き固めたトレイルナッツというもんを配っていて、大量にもらったので、前半は自分で用意していたジェル類ではなくて、これを食べながら走っていたのだが、これが失敗だった。
このトレイルナッツ、やたらと甘いので、2カケラほど食べただけでお腹いっぱいになってしまう。
結果として、カロリー摂取過小で、ハンガーノック気味の状態になってしまった。
吐き気もしてきて、レースを通じてこの時だけは、もしかしたら完走出来ないかも・・・と弱気になった。
ハンガーノックの時は、ジェルのような吸収性のいいものを大量に(と言ってもせいぜい2,3個)一気に摂取して、身体にエネルギーが回ってくるのを待つしかない。
いつの間にか体調は復活。
A4 すばしり にて、心折れ部サポート隊に預けていたストックを受け取る。
ここからの、陸上自衛隊富士学校敷地内のフカフカの小さな火山礫のコースは、走りにくいし、眠気もやってくるし、かなり辛かった。
何度も休む。
たくさん追い抜かれた。
A5 富士山御殿場口太郎坊。
このエイドに置いてあったコーヒーとカップヌードルは絶品だった。
一気に疲れが吹き飛んだ。
カップヌードルは、胃腸が受け付けなくて半分も食べきれなかったけど。
A5からA6 水ヶ塚公園へはロード区間。
夜中でもクルマが走るらしく、選手の安全のために、車線半分に延々と赤点滅パイロンが置いてある。
振り返ると一回目の日の出。
選手のヘッドライトがちらちら動き、鈴の音。
A6 水ヶ塚公園で日の出。
このエイドで食べた、裾野名物のモロヘイヤ入り裾野餃子は絶品だった。
トレイルらしいコース。
A7 富士山こどもの国
心折れ部サポート隊にあずけていた荷物の中からタオルを取り出して、顔を洗う。
顔を洗うだけでもすごく気分が良くて、気持ちがリセットされる。
般若のYマダさんに追い付かれ、ちょっと話した。
知っている人と会って話すのも、すごく元気が出る。
だらだらダート。
こういうのって、しんどいんだよね。
炎天下、延々と続く送電線保守ルート。
送電線の鉄塔をクリアして、送電線の下の保守ルートを進んで、再び鉄塔が出てきてこれをクリアして・・・というのを延々と繰り返す。
どこまで続くのか分からくてつらい。
A8 西富士中
ここでは、事前に、しっかり眠ると決めていた。
心折れ部サポート隊に預けていた荷物に、メガネとコンタクトレンズケースも入れておいた。
寝袋も入れておいたのだけどこれは使わず、体育館には毛布があったので、これにくるまって2時間後にケータイのアラームをセットしつつ、バッテリーも充電する。
心身ともに疲れていて、睡眠を必要としているはずなのに、興奮していて、かつ、走っているときは痛みを感じなかったのに右膝がジンジン激痛がしてきて、何度も目を覚まし、たいして眠れなかった。
それでもこの休憩は必要なものだったと思う。
起きたら歯磨きしてスッキリ。
ヘッドライトとハンドライトの電池を新品に入れ替える。
靴は、サロモンXT-WingsからノースフェイスDouble track(1サイズ大きめ)に履き替える。
気分転換に、上半身のロングSKINSとTシャツも着替える。
医師の福田六花さんによるメディカルチェック。
屈伸をさせられる。ここでふらつくようだと、失格。
いざ、天子山塊。
天子の登り口。
試走したばかりのルートだ。
この辺りのストック使用可能率はほぼ100%。
前後にSTYの選手が混ざってくる。
熊森山ピーク付近。
熊の爪とぎ跡だ。
熊森山には、レース直前になって急遽設定された、ウォーターエイドがあって、500mlのペットボトルを受け取れるはずだったのだが、気づかずに通りすぎてしまった。
レース監察がテントを張って何箇所にもいたけど、道標を隠すように人が立っていたりすることも多く、現在地がまったく分からずに走っていて、熊森山を通り過ぎたことに気がついたのは、遥か先だった。
結局、水は足りたから良かったけど。
天子山塊の途中で、雨がしとしと雨が降ってきた。
バーサライトの上だけを装着。
下りで、滑った折りにストックの上に体重を載せてしまい、なんとコネクタ部分がポキっと折れてしまった!
あーあ。
Black DiamondのZポール Ultra distance
レースでの投入は、2011年OSJおんたけウルトラに続いてまだ2戦目、たいして使っていないのに。
毛無山のピーク。
この辺りでは、疲労はmaxで、幻覚が出てきた。
僕の幻覚パターンは、木などの自然物が、バスや建物やトンネルの壁のように人工物のように見える、というものだ。それが見えるときは、自分でも幻覚だと分かっているので、ペースを落として身体を休ませる。
ここでこのレース初のVESPAチャージ(結局、一回だけにとどめた)
天子山塊後半からA9本栖湖スポーツセンターへのダウンヒルは、快適にかっ飛ばせるコースだが、一部の選手が渋滞を作っていた。
STYの選手だろうか、ナイトランに慣れていない人が多いようで、しかも後ろに渋滞を作っていても全然どこうともしないような人が多かった。
上りの脚はあまり残っていなかったが、なんだか下りはやたらと調子がよく、気持よく思いっきりかっ飛ばして、渋滞で列を作っている15人くらいを一気にごぼう抜きしたりして、ますますテンションが高くなり、かっ飛ばし続けてしまった。
今思えば、これは過剰に飛ばし過ぎだったと思う。
もっと抑えるべきだった。
普通に幻覚も見えてくる。
僕がよく見るいつもの幻覚のパターンで、草木の自然物が、建物やバスやトンネルの壁などのような人工物に見えてくる。
見えてる時点ではこれは幻覚だと自覚出来るので、実害はない。
上の写真を撮られたときも、かなり疲れ切った表情だが、わざわざバーサライトのお腹をめくってナンバカードを露出しているので、頭はけっこう冷静だ。
この辺りになると、座って休憩することが多くなってくる。
A9本栖湖スポーツセンターでは、心折れ部サポート隊、STY選手のHデキチ、Dイとも一緒になり、メシをたくさんくってゆっくり過ごした。
たっぷり休んだつもりだったのだが、本栖湖を出発して樹海に入ると、すぐに猛烈な睡魔がやってきた。
気づくといつの間にかコース上で立ち尽くしている。
どこか横になって15分でも眠りたいが、樹海のコースは真っ暗で、横になるのに適当な場所はまったくない。
本栖湖を後から出たHデキチとDイにもすぐに抜かれた。
Eディさんにも肩をたたいて挨拶されたが、その瞬間は誰だかうまく認識できず、彼の姿が消えてから、ああ、あれはEディさんか・・・と気がついた。
この辺りで大幅ペースダウン。
眠気の限界が来た。
富士パノラマライン、精進湖から先(東側)の橋の上で、もう眠くてどうしようもなくなり、コース上(長い橋の歩道の上)で、ケータイのアラームをセットして15分くらい仮眠。
起きて再び動き出したものの、やはりどうしようもなく、さらに15分仮眠。
最後のエイドとなるW2 鳴沢氷穴に何とか着いたが、眠気の限界を突破していたので、
30分仮眠。
こういう時って、身体は睡眠を欲しているはずなのに、興奮してさっぱり寝付けなくて、まったく熟睡できない。
2回目の朝。
上りと平地は呆然として歩く。
下りだけは下り足が残っていて、かっ飛ばし。
なんとかフィニッシュ。
完走できて良かったけど、冒頭述べたように、思ったほどの感動はなかった。
今回の持ち物リスト。
制限時間48時間で156kmというこのトレランレース、今までのトレランレースとはまったく異次元の世界であり、まったく違うものが求められるのだと思っていた。
1年半計画で入念な準備をして、かなり多くのものを犠牲にしつつ、生き様をかけて望んだこのレース。
実際に出てみたら、なんてことはない、今までと違うものではなく、今までの延長線上に位置するもんだった。
実際に完走してみれば、あっけなかったな、という気がする。
-A1 富士吉田市工業団地 2:19'38"
-A2 二十曲峠 2:50'03"
-A3 山中湖きらら 1:03'54"
-A4 すばしり 3:15'14"
-A5 富士山御殿場口太郎坊 2:33'23"
-A6 水ヶ塚公園 1:13'03"
-A7 富士山こどもの国 1:46'18"
-W1 北山 3:47'30"
-A8 西富士中学校 2:23'25"
-A8での休憩 3:09'21"
-A9 本栖湖スポーツセンター 10:22'31"
-W2 鳴沢氷穴 4:31'48"
-finish 3:08'44"
42:25:18(グロス)
会場のスタート前。
今回は、3日間を通して天気に恵まれた。
天子山塊の前半を試走した時に抱いたイメージだと、あそこで天候が崩れれば、自分の実力では完走は無理だろうと思っていただけに、これは嬉しかった。
天子越えでちょっと雨が降ってきたけど、靴下がぐちょぐちょになるほどではなかった。
ここでケータイに電話がかかってきて、上りのロードを話しながら歩いた。
まだまだ皆、元気な辺り。
一日目の夕暮れ。
天気いいね!
A3 山中湖きらら。
すっかり日没。
この辺りで調子悪くなってきた。
スタート海上で、某食品惣菜店が、ナッツ類とマシュマロとバターを溶かして焼き固めたトレイルナッツというもんを配っていて、大量にもらったので、前半は自分で用意していたジェル類ではなくて、これを食べながら走っていたのだが、これが失敗だった。
このトレイルナッツ、やたらと甘いので、2カケラほど食べただけでお腹いっぱいになってしまう。
結果として、カロリー摂取過小で、ハンガーノック気味の状態になってしまった。
吐き気もしてきて、レースを通じてこの時だけは、もしかしたら完走出来ないかも・・・と弱気になった。
ハンガーノックの時は、ジェルのような吸収性のいいものを大量に(と言ってもせいぜい2,3個)一気に摂取して、身体にエネルギーが回ってくるのを待つしかない。
いつの間にか体調は復活。
A4 すばしり にて、心折れ部サポート隊に預けていたストックを受け取る。
ここからの、陸上自衛隊富士学校敷地内のフカフカの小さな火山礫のコースは、走りにくいし、眠気もやってくるし、かなり辛かった。
何度も休む。
たくさん追い抜かれた。
A5 富士山御殿場口太郎坊。
このエイドに置いてあったコーヒーとカップヌードルは絶品だった。
一気に疲れが吹き飛んだ。
カップヌードルは、胃腸が受け付けなくて半分も食べきれなかったけど。
A5からA6 水ヶ塚公園へはロード区間。
夜中でもクルマが走るらしく、選手の安全のために、車線半分に延々と赤点滅パイロンが置いてある。
振り返ると一回目の日の出。
選手のヘッドライトがちらちら動き、鈴の音。
A6 水ヶ塚公園で日の出。
このエイドで食べた、裾野名物のモロヘイヤ入り裾野餃子は絶品だった。
トレイルらしいコース。
A7 富士山こどもの国
心折れ部サポート隊にあずけていた荷物の中からタオルを取り出して、顔を洗う。
顔を洗うだけでもすごく気分が良くて、気持ちがリセットされる。
般若のYマダさんに追い付かれ、ちょっと話した。
知っている人と会って話すのも、すごく元気が出る。
だらだらダート。
こういうのって、しんどいんだよね。
炎天下、延々と続く送電線保守ルート。
送電線の鉄塔をクリアして、送電線の下の保守ルートを進んで、再び鉄塔が出てきてこれをクリアして・・・というのを延々と繰り返す。
どこまで続くのか分からくてつらい。
A8 西富士中
ここでは、事前に、しっかり眠ると決めていた。
心折れ部サポート隊に預けていた荷物に、メガネとコンタクトレンズケースも入れておいた。
寝袋も入れておいたのだけどこれは使わず、体育館には毛布があったので、これにくるまって2時間後にケータイのアラームをセットしつつ、バッテリーも充電する。
心身ともに疲れていて、睡眠を必要としているはずなのに、興奮していて、かつ、走っているときは痛みを感じなかったのに右膝がジンジン激痛がしてきて、何度も目を覚まし、たいして眠れなかった。
それでもこの休憩は必要なものだったと思う。
起きたら歯磨きしてスッキリ。
ヘッドライトとハンドライトの電池を新品に入れ替える。
靴は、サロモンXT-WingsからノースフェイスDouble track(1サイズ大きめ)に履き替える。
気分転換に、上半身のロングSKINSとTシャツも着替える。
医師の福田六花さんによるメディカルチェック。
屈伸をさせられる。ここでふらつくようだと、失格。
いざ、天子山塊。
天子の登り口。
試走したばかりのルートだ。
この辺りのストック使用可能率はほぼ100%。
前後にSTYの選手が混ざってくる。
熊森山ピーク付近。
熊の爪とぎ跡だ。
熊森山には、レース直前になって急遽設定された、ウォーターエイドがあって、500mlのペットボトルを受け取れるはずだったのだが、気づかずに通りすぎてしまった。
レース監察がテントを張って何箇所にもいたけど、道標を隠すように人が立っていたりすることも多く、現在地がまったく分からずに走っていて、熊森山を通り過ぎたことに気がついたのは、遥か先だった。
結局、水は足りたから良かったけど。
天子山塊の途中で、雨がしとしと雨が降ってきた。
バーサライトの上だけを装着。
下りで、滑った折りにストックの上に体重を載せてしまい、なんとコネクタ部分がポキっと折れてしまった!
あーあ。
Black DiamondのZポール Ultra distance
レースでの投入は、2011年OSJおんたけウルトラに続いてまだ2戦目、たいして使っていないのに。
毛無山のピーク。
この辺りでは、疲労はmaxで、幻覚が出てきた。
僕の幻覚パターンは、木などの自然物が、バスや建物やトンネルの壁のように人工物のように見える、というものだ。それが見えるときは、自分でも幻覚だと分かっているので、ペースを落として身体を休ませる。
ここでこのレース初のVESPAチャージ(結局、一回だけにとどめた)
天子山塊後半からA9本栖湖スポーツセンターへのダウンヒルは、快適にかっ飛ばせるコースだが、一部の選手が渋滞を作っていた。
STYの選手だろうか、ナイトランに慣れていない人が多いようで、しかも後ろに渋滞を作っていても全然どこうともしないような人が多かった。
上りの脚はあまり残っていなかったが、なんだか下りはやたらと調子がよく、気持よく思いっきりかっ飛ばして、渋滞で列を作っている15人くらいを一気にごぼう抜きしたりして、ますますテンションが高くなり、かっ飛ばし続けてしまった。
今思えば、これは過剰に飛ばし過ぎだったと思う。
もっと抑えるべきだった。
普通に幻覚も見えてくる。
僕がよく見るいつもの幻覚のパターンで、草木の自然物が、建物やバスやトンネルの壁などのような人工物に見えてくる。
見えてる時点ではこれは幻覚だと自覚出来るので、実害はない。
上の写真を撮られたときも、かなり疲れ切った表情だが、わざわざバーサライトのお腹をめくってナンバカードを露出しているので、頭はけっこう冷静だ。
この辺りになると、座って休憩することが多くなってくる。
A9本栖湖スポーツセンターでは、心折れ部サポート隊、STY選手のHデキチ、Dイとも一緒になり、メシをたくさんくってゆっくり過ごした。
たっぷり休んだつもりだったのだが、本栖湖を出発して樹海に入ると、すぐに猛烈な睡魔がやってきた。
気づくといつの間にかコース上で立ち尽くしている。
どこか横になって15分でも眠りたいが、樹海のコースは真っ暗で、横になるのに適当な場所はまったくない。
本栖湖を後から出たHデキチとDイにもすぐに抜かれた。
Eディさんにも肩をたたいて挨拶されたが、その瞬間は誰だかうまく認識できず、彼の姿が消えてから、ああ、あれはEディさんか・・・と気がついた。
この辺りで大幅ペースダウン。
眠気の限界が来た。
富士パノラマライン、精進湖から先(東側)の橋の上で、もう眠くてどうしようもなくなり、コース上(長い橋の歩道の上)で、ケータイのアラームをセットして15分くらい仮眠。
起きて再び動き出したものの、やはりどうしようもなく、さらに15分仮眠。
最後のエイドとなるW2 鳴沢氷穴に何とか着いたが、眠気の限界を突破していたので、
30分仮眠。
こういう時って、身体は睡眠を欲しているはずなのに、興奮してさっぱり寝付けなくて、まったく熟睡できない。
2回目の朝。
上りと平地は呆然として歩く。
下りだけは下り足が残っていて、かっ飛ばし。
なんとかフィニッシュ。
完走できて良かったけど、冒頭述べたように、思ったほどの感動はなかった。
今回の持ち物リスト。
by hoya
| 2012-07-13 17:15
| レース